今回紹介するのは、予防歯科をメインとする、おおくぼ歯科クリニックに入職して4年目の歯科衛生士・前川京子さんです。

歯医者というと一般的には、歯科医師が治療を行い、歯科衛生士が助手としてメンテナンスを行うというイメージがありますが、予防歯科に力を入れているこちらでは、歯科衛生士がメインとなって患者さんと向き合います。

院長も女性で、働く職員は全員女性というこの個性的なクリニックで、「働く現場」について伺います。

プロフィ―ル

医院名:おおくぼ歯科クリニック

名前:前川 京子さん

職種:歯科衛生士

社歴:入職4年目

おおくぼ歯科クリニックのこだわり

前川さんのお話を伺う前に、おおくぼ歯科クリニックのこだわりを確認しておきましょう。

予防歯科を軸とした治療方針

おおくぼ歯科クリニックでは、女性スタッフだからこそできる、細やかな気配りや声掛けを意識して患者さんと接しています。

予防歯科に軸を置いてMTMという体制を取り入れ、患者さんの歯の健康を維持して、なるべく歯を削らない治療方法を取り入れています。

この治療方法は、定期的に開講される講習会や勉強会で学ぶことで可能となります。

そして、患者さんにより良い治療を行うために、チームとして最善の治療計画を提供しています。

MTM(メディカルトリートメントモデル)とは

MTM(メディカルトリートメントモデル)とは、虫歯や歯周病などのリスクを評価して患者さんひとりひとりに合わせた予防プログラムを提案し、治療は最小限に、メンテナンスを中心に施術する診療の流れのことをいいます。

診療内容の手順

  1. 検査
  2. 口の中の環境改善
  3. 最小限の虫歯治療
  4. メンテナンス

大人と子ども、人それぞれに適切な治療内容は異なるため、患者さんの状況に合わせて診療を行い、プログラムを提案します。

インタビュー

入職のきっかけは同僚からの口コミ

新卒で就職先を決めるときには多くの歯科医院を見てきたと思いますが、おおくぼ歯科クリニックを選んだ決め手は?

「はじめのきっかけは、同級生や先輩から“ここ良いよ”と言われたことですね」

業界をよく知る仲間の間でも、おおくぼ歯科クリニックは口コミで評判だったといいます。

「評判が広まるだけのことはありました。初めて見学に行ったときには院長のお話を聞いて、レベルの高さを感じました。他の医院も見てきたのですが、ここでは他と違って歯科衛生士がメインになって働ける環境だと感じました」

実際に見に来たときに、前川さんは院内の雰囲気も含めて他院との違いを感じたそうです。
レベルが高いと感じたということですが、この歯科医院で働くことに不安は感じませんでしたか?

「不安は正直、少しはありました。でも驚いたのですが、入職までにスタッフの方と交流があったんですよ。国家試験のときには応援メッセージを頂いたり、入社したときはメッセージカードも頂いたり、心強かったし嬉しかったですね。それもあって、“この方たちについていって頑張ろう”と思えました」

働き始める前からスタッフとの関係があることには驚かされました。

歯科衛生士が主役となる仕事

歯科衛生士がメインとなって働ける環境だということですが、やはり自分がメインとなって働けることにはやりがいを感じますか?

「歯科医院では衛生士がアシストとなり、先生のサポートをすることが多いんです。だけど、ここは違います。せっかく歯科衛生士の資格をとったのですから、それを活かせる場所で働けることにはやりがいを感じています」

歯科衛生士がメインということですが、具体的にはどんな業務があるのでしょうか?

「一人の患者さんにかける時間は45分位なのですが、そのメンテナンス施術はもちろんのこと、患者さんの予約時間の管理やカルテの整理も担当します」

では治療の進め方は、どのように決まるのでしょうか?

「治療の進め方は、先生と相談しながら決めていきます。ですが、その中のメンテナンス内容は歯科衛生士が決めています。大枠は決まっているのですが、患者さんの状況に合わせてアレンジをしていきます」

なるほど。メンテナンスの内容を歯科衛生士が決められるのなら、やりがいを感じられそうですね。個室ならではの患者さんとの距離については、いかがですか?

「個室のほうが、患者さんとしても、話しやすいと思います。周りに他の患者さんがいないので、自分の生活習慣やお口の状況を話すことに抵抗が少ないと思うんですよね」

では、大変な部分はどんなところでしょうか?

「慣れないうちは、時間管理が大変でしたね」

業務の時間管理ですか?

「はい。限られた時間のなかですべての業務を行わなければならないので、その時間管理が大変でした。例えば治療を必要とする場合は、患者さんの治療状況を考えて、先生が治療に掛ける時間を予測しないといけないですし、メンテナンス中、突発的に詰め物が取れたりして時間がかかることもありました……。1日のスケジュールがしっかり決まっているので、その中で収まるようにしなければなりません。時間管理は大切ですよね」

「また、メンテナンス以外にも、口腔内を撮影した資料の整理もしなければなりません。自分で時間管理しないといけないので、慣れるまでは大変でした。今も自分は完璧ではなく課題もあるので、しっかり出来るようになりたいです」

冷静にご自身の業務を分析されている前川さん。お仕事に対する誠実さが伝わってきます。インタビュー後に人事の方に聞きましたが、昨年は院内での活躍が認められて法人内でも表彰されたとのこと。

おおくぼ歯科クリニックでは、院内感染の予防対策として滅菌専用室を設ける徹底ぶり。また、滅菌スタッフを専属で採用しており、洗浄・消毒・滅菌の流れも徹底したルールがあります。

将来の夢は衛生士さんになること!

入職して3年目になる前川さん。今まで働いてきて、印象に残っているエピソードを聞いてみました。

「印象に残っているのは、通ってくださっていた5歳のお子さんが“歯医者に来るのが楽しみなんだ”と話してくれたことです。“将来の夢は歯科衛生士さんになること”とも言って頂き、お子さんにとって嫌いになりやすい歯医者を“楽しく思ってくれていること”が、とても嬉しかったです」

前川さんは、「治療後は頑張ったご褒美に消しゴムをあげるので、それのおかげかもしれませんが」と笑いながら話してくれました。

自信を持って働ける、整った研修制度

メインになって働くということは衛生士さんの責任も大きくなるのではないかと思いますが、それに関する不安はありませんでしたか?

「ここに入る前は、接遇などでもレベルが高いと聞いていたので、正直不安でした。しかし、入って最初の3か月は研修があり“新人としての社会人の姿勢”をしっかり教えていただきました。内容は挨拶や返事、声の大きさなど、すぐに実行できる内容だったので、少しづつ医院の環境に慣れていった感じですね。現在も衛生士としての定期的なトレーニングがあるので、日々自分の技術を磨くことができています」

はじめの研修は、マニュアルに沿って行われていたそうです。先輩の歯科衛生士からしっかりとした育成体制も整っていたので、新人のころから不安を感じることもなく心強かったそうです。

現在も衛生士として定期的なトレーニングがあるという事ですが、どのようなものですか?

「月に1回開催される歯科衛生士のトレーニングですね。実際に診療をしている私たちを講師の先生に見てもらい、技術的な課題がないかをフィードバックしてもらいます。写真を撮ってもらえ、自分では気づいていなかったことの指摘もしてもらえるので、とても勉強になります」

患者さんにメンテナンスをしている診療室に講師が入り、歯科衛生士さんの施術や姿勢、機械の持ち方などを確認します。診療後、具体的に指導するそうです。この指導は10時半~16時半までの1日かけて行われるそうです。

実際に働いているところを第三者に見てもらえると、自分がどのレベルなのかが把握できます。基礎をしっかり身につけることができるので、歯科衛生士としてのレベルがどんどん上がっていきそうです。

大変充実したお仕事をされているようですが、研修以外にありがたいと感じた制度はありますか?

「ありがたいと思ったことは、やっぱり環境ですね。職員が女性だけというのもそうですが、週休が2.5日であることや診察が6時までなので、早く家に帰れていることもありがたいです」

最後は、院長の大久保先生と一緒に写真撮影!!

取材部から一言

医院の育成方針と職員1人ひとりの向上心との掛け合わせ。何よりこの2点が「やりがい」に繋がると感じました。また前川さんが「自身の業務を冷静に振り返る時間も大切」とおっしゃっていたことが印象に残っています。こちらでは、定期的なミーティングでスタッフ自身が自ら考え発信する機会が多いそうです。成長意欲の高い方にとっては素晴らしい環境だと思いました。興味のある方は、こちらよりお問合せ下さい。

【おおくぼ歯科クリニック】
住所:京都市左京区下鴨高木町32-3
TEL: 075-707-2055
WEB: https://www.okubodental.com/